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柔道整復師はなぜ柔道?柔道経験がなくてもなれるの?

公開日:2025.06.3

「柔道整復師」という名称を聞くと、「柔道経験がないと目指せないのでは?」と疑問に思う方も多いはずです。実際には、柔道経験がなくても柔道整復師になることは十分可能です。

この記事では、なぜ「柔道」という言葉が使われているのか、その歴史や背景、資格取得に柔道経験が必要なのかどうか、そして柔道整復師に向いている人の特徴まで詳しく解説します。

柔道整復師はなぜ「柔道」?

「柔道整復師」という名称には、なぜ「柔道」という言葉が使われているのでしょうか。
一見すると、スポーツの柔道と医療の仕事にどんな関係があるのか、不思議に思う方もいるかもしれません。

その答えは、日本の伝統武術「柔術」にまでさかのぼります。

医療系国家資格

柔術は、日本の戦国時代に武士たちが身につけていた武術の一つで、攻撃のための「殺法」と、負傷者を治療するための「活法」という二つの側面を持っていました。「殺法」は敵を制するための技術であり、「活法」は仲間や自分自身のケガを癒すための手技でした。

この「活法」が、のちにケガや骨折を治す医療技術として発展し、「柔道整復」へとつながっていったのです。そして、一方の「殺法」は、時代の変化とともに競技としての「柔道」へと受け継がれていきました。

明治時代には、柔道の創始者である嘉納治五郎が中心となり、柔術から生まれた接骨の技術を整理・体系化。その努力により、柔道整復という技術は社会的に認められるようになり、やがて国家資格として正式に認められました。

柔道整復師という名前に込められた意味

つまり、「柔道整復師」という名前は、柔道の技をそのまま使う職業という意味ではありません。もともと武術に含まれていた「人を助け、回復へと導く」技術と、その精神を受け継いでいるという歴史を、名前に残しているのです。

柔道整復師を目指す方にとって、この職業名の由来を知ることは、知識を得るだけでなく、自らが受け継ぐ伝統や役割への理解を深めることにもつながります。

患者さんに説明する場面でも、このような背景を語ることで、信頼や興味を持ってもらえるかもしれません。

柔道整復師になるには柔道経験が必要なのか

「柔道整復師」という名前から、柔道の経験が必須と思われがちですが、実際には柔道経験がなくても資格取得は可能です。

柔道経験がなくても柔道整復師になれる

養成校への入学や国家試験の受験に、柔道歴は一切問われません。多くの養成校では柔道未経験の学生が多数を占めています。

養成課程には「柔道」の授業が含まれていることが一般的。ただし、これは競技としての柔道を学ぶわけではなく、礼儀作法、受け身の取り方、ケガの予防、応急処置など、柔道整復の実務に役立つ内容を基礎から学ぶための授業です。未経験でも無理なく取り組めるようにカリキュラムが組まれています。

柔道経験がある人には、ケガの知識やスポーツ現場の理解、患者さんとの共感力などの面でアドバンテージがあることも確かですが、それがないからといって不利になることはありません。
大切なのは、医療に関心があり、人を支えたいという気持ちです。

柔道整復師養成校のカリキュラムとは

柔道整復師になるための養成校では、幅広い分野を学びます。解剖学・生理学・運動学といった医療の基礎科目から、柔道整復学、臨床実習などの専門的な技術や知識まで、段階的に学べるようになっています。

柔道整復師になるための学びの例

  • ・解剖学・生理学
  • ・骨折理論
  • ・脱⾅理論・軟損理論
  • ・スポーツ科学・⼼理学
  • ・⼀般臨床医学・運動学
  • ・外科学・整形外科
  • ・病理学・柔道    など

柔道整復師になるための実技授業の例

  • ・包帯実技
  • ・副⽊実技
  • ・⾻折実技
  • ・脱⾅実技
  • ・軟損実技
  • ・臨床実習    など

柔道整復師の学びにおける「柔道」の位置づけ

柔道の授業では、礼儀作法や受け身の練習、ケガの予防法などが中心です。受け身の練習は、患者さんの体を安全に扱うためにも重要な技術です。柔道整復師の国家試験において求められるのは、筆記による学科試験です。そのため、柔道そのものの競技スキルが必要になることはないのです。

さらに、柔道経験がなくても、他のスポーツや運動経験がある人は、身体の動かし方やケガの知識を活かせる場面が多くあります。例えば、サッカーやバスケットボールをしていた人は、スポーツ現場でのケガの対応やリハビリの重要性を実感しているため、柔道整復師としての視点も広がります。

養成校では、教員や先輩が丁寧にサポートしてくれるので、柔道や医療の知識がゼロからでも安心して学べます。大切なのは、柔道経験よりも「人を助けたい」「医療の仕事に携わりたい」という気持ちです。

柔道整復師に向いている人

これまでお話ししてきたとおり、柔道整復師は、ケガの応急処置やリハビリ、スポーツ現場でのサポートなど、人の健康を支える幅広い役割を担います。

では、どんな人がこの仕事に向いているのでしょうか。いくつかの特徴をご紹介します。

  • ・人と関わることが好きな人

    患者さんと接する時間が多い職業です。不安や痛みを抱えている方に寄り添い、信頼関係を築けるコミュニケーション力がとても大切になります。

  • ・スポーツや体の動きに興味がある人

    柔道整復師はスポーツ現場で活躍することも多く、身体の使い方やケガのメカニズムに対する関心が、日々の学びや実践に直結します。運動経験があれば、その知識や感覚が役立つ場面も多いでしょう。

  • ・手先が器用で丁寧な作業が得意な人

    整復や固定といった技術では、正確さと繊細な手技が求められます。器用さや細かい作業を苦にしない人は、技術面での習得がスムーズに進むこともあります。

  • ・困っている人を助けたい気持ちが強い人

    誰かの役に立ちたい、痛みを軽くしてあげたい。そんな思いやりや支えたいという気持ちが、この仕事の大きな原動力になります。

  • ・学び続けることを楽しめる人

    医療の分野は日々進歩しています。最新の知識や技術を取り入れながら、柔道整復師として成長し続けるためには、生涯学び続ける姿勢が求められます。

  • ・責任感を持って行動できる人

    柔道整復師は、人の健康や安全に関わる職業です。状況を的確に判断し、責任を持って行動する姿勢が、信頼される専門職として必要不可欠です。

柔道の経験があるかどうかは問われません。必要なのは、こうした資質や「人を支える仕事に関わりたい」という気持ちです。柔道整復師という道に少しでも関心がある方は、自分の性格や興味と照らし合わせて考えてみるのも良いでしょう。

まとめ

柔道整復師は、日本の伝統武術「柔術」の中にあった治療技術「活法」を起源とする、日本独自の医療系国家資格です。
その名称に「柔道」とあることで柔道のイメージが強く持たれがちですが、実際には柔道経験がなくても目指すことができる職業です。養成校で基礎からしっかり学べるため、柔道に縁がなかった方でも安心して目指せます。

人と関わることが好きな方、スポーツや身体の仕組みに興味がある方、誰かの役に立ちたいという思いがある方なら、柔道整復師の道は大きなやりがいと成長をもたらしてくれるでしょう。進路選択の際は、ぜひ柔道整復師という選択肢も視野に入れてみてください。

柔道整復師は、誰かの「痛み」や「不安」を和らげ、再び笑顔で日常生活やスポーツに復帰できるようサポートする、やりがいのある仕事です。柔道経験がなくても、熱意と努力次第でプロフェッショナルを目指せます。自分の可能性を信じて、新しい一歩を踏み出してみてください。

スポーツ健康医療専門学校の柔整科では、柔道整復師として現場で即戦力となれる力を育てるために、基礎から応用まで幅広いカリキュラムを用意しています。解剖学や生理学といった医学の土台から、柔道整復学、臨床実習までを段階的に学び、国家試験に向けて着実に力をつけていくことができます。ひとりひとりの成長にしっかり寄り添い、学びだけでなく将来の進路相談や国家試験対策まで、手厚いサポート体制を整えています。

「柔道整復師って実際にどんなことをするの?」
そんな気持ちを抱いている方こそ、ぜひ一度オープンキャンパスへ足を運んでみてください。